土地の図面を見ながら、「広さや価格はぴったり!」「でも見た事のない言葉ばっかりだけど、どういう意味?」。初めての土地探し、見慣れない専門用語に混乱しがちですが、ここは大事! 土地には、家を建てるうえで様々なルールがあります。知らずに購入してしまうと、「イメージしていた家が建たない!」ということもありますから、「法規制」について理解しておきましょう。


家の大きさの基本となる建ぺい率・容積率

「やりたい事をたくさん入れて大きな家を建てたい!」と言いたいところですが、建てられる家の大きさは、そのエリア、土地で決められています。土地情報には必ずある「建ぺい率と容積率」が最初の専門用語です。

建ぺい率とは、敷地面積とそこに建てられる建築面積の割合のこと。『建築面積』も専門用語ですね。これは建物を真上から見た面積になります。おおむね一番大きい1フロアの床面積で考えて下さい。
一方、容積率とは、敷地面積とそこに建てられる建物の延べ床面積(すべてのフロアの合計床面積)の割合のこと。
この土地には、建ぺい率と容積率の範囲内で家を建てる事で一定の綺麗な街並を作るように建築にルールを設けています。

物件情報を元に計算してみましょう。 建ぺい率40%、敷地面積は35坪ですから、建てられる1階の床面積は、 【35坪×40%=14坪】 ワンフロアとしては14坪が上限です。 一方、容積率は80%。建てられる家の全体面積は、 【35坪×80%=28坪】 全ての階を合計して28坪が上限となります。 建ぺい率と容積率は双方の上限を守る必要がありますので、この土地には、ワンフロアの面積が14坪、全ての階の合計面積が28坪までの家が建てられることになります。  建ぺい率と容積率と敷地面積がわかれば、どれくらいの坪数の家が建てられるかの目安になりますね

建てる家の位置や高さのルール

建ぺい率、容積率から計算した建物の最大値ですが、さらに『家の高さ』や『建てる位置』についてもルールがあります。13種類ある用途地域によっても有無が異なりますが、ビルなどの多い商業系を除く住居系を中心に3つほどご紹介します。 1つめは、家を建てる位置。『壁面後退』という呼び名が多いですが、お隣との境界から建物の外壁まで50㎝以上離す事が民法で定められています。今回の例の低層地域ではさらに厳しく全ての境界から1m~1.5m離して建てる必要があり、いずれも境界線ギリギリには建てられません。

2つめは、『高さ制限』と呼ばれる建物の高さ。戸建住宅に関係するのは低層地域です。家の高さが10mまたは12m以内におさまるように建てます。一般的には3階建てでも10m以下に抑えて建築しますのでクリアは可能です。一方で低層地域では3階建てを建築する際に日影に対する別の法規制があり、現実的には低層エリアの3階建ては非常に難しい事は合わせて覚えておいて下さいね。

3つめは、北側の家の日当たりに配慮する『北側斜線制限』。できれば敷地の北側ギリギリに家を建てて、南からの日当たりをよくしたいところですが、北側の住宅の日当たりが損なわれることになるので、北側との距離を空けるまたは建物高さを低くして建築します。

また北側斜線と同じ目的で日当たりを確保する『高度地区』という制限があります。高度地区指定がある際は北側斜線より厳しい規制となりますので高度地区に沿って計算します。これは各自治体が定めているので地域によって異なり、今回の例の『第1種高度地区』と記載があっても市町村によって内容が異なる事があります。『高度地区』は低層エリアでの2階建て、3階建て可能エリアでの3階部分で建築出来ない失敗もありますので一番注意して欲しいキーワードです。

他にも知っておきたいルール①
建ぺい率の割り増しと容積率の強化

建ぺい率は敷地の状況によって、10%広く建ててもいい、というルールがあります。 一戸建てで多くあるのが『角地緩和』と呼ばれる角地の際の割り増しです。全ての角地に適用される訳ではありませんが『角地には緩和があるかも』と覚えておいて下さい。 例えば、建ぺい率40%で角地なら+10%で、建ぺい率50%になります。 角地緩和ともう1つ『防火地域または準防火地域内での耐火建物』による10%の緩和もありますが、主に商業エリアが中心のルールになる事と要件となっている『耐火建築物』が非常に高額になるので一戸建てとしてはレアケースとなります。

一方、「道路ギリギリまで3階建てを建てたい!」と考える人に気をつけてもらいたいのが、「前面道路幅員制限」というルール。決められた容積率と比べて厳しい方が適用になります。おおまかに伝えると『道路幅×0.4』となるので道路が4m~5mの際は注意が必要です。 例えば、容積率200%と指定された土地の場合、 前面道路の幅が5mなら 5m×0.4×100%=200% となり指定容積率と同じですが、前面道路の幅が4mの場合 4m×0.4×100%=160% 指定容積率200%より小さくなり、160%が適用されます。 「思ったサイズの建物が建てられない」というケースで良く耳にしますので頭に入れておいてください。

他にも知っておいたいルール② 地区協定

テレビで見る高級住宅街やご近所の他よりも統一された綺麗な街並みには『地区協定』があるかもしれません。統一された街並みを作り上げるために街作りの初期段階で市町村の法規制よりさらに厳しいルールを設けています。あとから住む人も同様に守らなければいけません。 「敷地の最低面積を〇〇㎡にする」、「外壁に原色は使わない」、「ブロック塀や柵を設けない」など様々な細かいルールを定めています。自身の建築の際には制限や費用に苦労する事もあるかもしれませんが、綺麗な街並みは資産価値の面では一考の価値はあります。いずれ検討物件に『地区協定』がある際には様々なルールが付加される事は注意事項です。

他にも知っておいたいルール③ 道路斜線制限

「前面道路の幅が4mほどで3階建てを建てたい」という方は頭の片隅に置いて下さい。 近隣の方の日照や通風を確保する事を主な目的とした『道路斜線制限』があります。 北側斜線ほどは厳しくありませんが道路ギリギリまでの設計が難しくなります。 物件情報に非掲載で良い項目なので記載がないのが一般的です。「言葉を知っていたのにうっかり」なんて事に注意しましょう。

このレシピのおさらい

建ぺい率・容積率は建物サイズの基本となります。そこを上限としてさまざまな制限をクリアする事で建築可能な建物が見えてきます。専門用語も多い「土地の法規制」ですが、ある程度理解していただきたいものの、北側、道路側など斜線の計算は難解です。法規制に関しては『不動産』ではなく『建築』のジャンルに当たりますので想い描く家が建てられるかどうかは、専門家である建築士やハウスメーカーに相談が安心です。 失敗出来ない高い買い物、『餅は餅屋』に相談しましょう。

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土地のレシピ1

土地の法規制と建築

レシピ習得度テスト

問題

北側の家の日当たりを配慮する制限とは?

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