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長期優良住宅とは?認定基準と金銭的メリット5選をわかりやすく解説

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長期優良住宅とは?認定基準と金銭的メリット5選をわかりやすく解説

「長く安心して住める家を選びたい」と考えたとき、物件情報やハウスメーカーの資料で見かけるのが「長期優良住宅」という言葉です。
しかし、「他の住宅とどう違うのか」「どのような基準で認定されるのか」「どれくらいのメリットがあるのか」と、全体像が分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。

長期優良住宅とは、国が定めた基準を満たし、長期間にわたって良好な状態で住み続けられると認定された住宅のことです。認定を受けることで、税制優遇や補助金、住宅ローンの金利優遇などを受けられる場合があります。
本記事では、長期優良住宅の基本的な定義から認定基準、さらに家計に関わる金銭的メリットまでを、初めての方にも分かりやすく解説します。

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長期優良住宅の定義と制度の概要

まずは、長期優良住宅がどういう制度なのか、その全体像を整理しましょう。

長期優良住宅の仕組み

長期優良住宅とは、長期間にわたって良好な状態を維持しやすいように配慮された住宅を指します。 2009年に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき、一定の基準を満たした住宅は認定の対象となり、税制や補助金、住宅ローンなどの優遇制度を利用できる場合があります。
従来の日本の住宅は、「建てては壊す」というのが一般的でした。こうした背景の中で、本制度は住宅を適切に維持管理しながら長く使うという考え方(ストック型:資産として住宅を長く活用する考え方)への転換を目的の一つとしています。

長期優良住宅とその他の住宅との違い

長期優良住宅とその他の住宅の主な違いは、次の2点にあります。

  • 市区町村による公的な認定の有無
  • 長期間の使用を前提とした性能の水準

住宅は、建築基準法(建物の安全性などの最低基準を定めた法律)を満たしていれば建築が可能です。一方で、耐久性や省エネ性能などについては、必ずしも公的な認定が付与されるわけではありません。
これに対し長期優良住宅は、耐震性・省エネ性・劣化対策・維持管理のしやすさなど複数の項目について、建築基準法を上回る水準を満たしていることを、市区町村の認定によって確認される制度です。

比較項目 認定を受けていない住宅 長期優良住宅
建築基準 建築基準法(最低限の安全基準)を満たす 建築基準法を上回る高い基準を満たす
公的認定 なし あり(市区町村などの行政が認定)
資産価値 経年劣化による評価低下が比較的早い 長期にわたり良好な状態が評価されやすい

「認定住宅」とは?

物件情報などで見かける「認定住宅」とは、長期優良住宅や低炭素住宅(CO₂排出を抑えることを目的とした住宅)など、行政の認定を受けた住宅の総称として使われる場合があります。長期優良住宅も、この認定住宅の一種です。

ZEHとの共通点と相違点

ZEH(ゼッチ:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)と長期優良住宅は、どちらも住宅性能の向上を目的としている点は共通していますが、重視するポイントに違いがあります。

  • ZEH
    省エネ(エネルギーを減らす)と創エネ(エネルギーをつくる)により、エネルギー消費の削減を重視する住宅
  • 長期優良住宅
    耐震性や劣化対策、維持管理のしやすさなど、長く住み続けるための性能を重視する住宅

長期優良住宅は、省エネ性能も求められますが、それ以上に耐震性や劣化対策、維持管理のしやすさなど、長く安心して住み続けられる性能が重視されます。近年は両方の基準を満たす「長期優良住宅かつZEH」も見られ、環境への配慮と長期的な住みやすさを両立しやすい選択肢といえます。

長期優良住宅の認定基準と必須条件

長期優良住宅の認定を受けるには、国が定めた複数の基準をクリアする必要があります。現在、一戸建て住宅における認定基準は、大きく分けると「8つの項目」で構成されています。

一戸建て住宅における8つの認定基準

  • 劣化対策
    数世代にわたり構造躯体(建物の骨組み)を使用できるか 
  • 耐震性
    地震時の損傷を抑え、継続利用できるか
  • 省エネルギー性
    断熱性能や省エネ性能が確保されているか
  • 維持管理・更新の容易性
    配管設備などの点検・補修がしやすいか
  • 居住環境
    地域の景観や街並みに配慮しているか
  • 住戸面積
    良好な暮らしに必要な広さを有しているか
  • 維持保全計画
    将来を見据えた30年以上のメンテナンス計画があるか
  • 災害配慮
    自然災害のリスクがある地域への対策がなされているか

このように、長期優良住宅は建物の性能だけでなく、立地や将来のメンテナンス計画まで総合的に審査されます。ここでは、各性能基準について解説します。

1. 数世代にわたり構造躯体(建物の骨組み)を使用できるか 

世代を超えて(目安:3世代・約75〜90年間)、構造躯体が良好な状態で使用できるための基準です。住宅性能表示制度の「劣化対策等級3」を満たす必要があります。木造住宅の場合は、床下の有効高さの確保や、床下・小屋裏(天井裏)への点検口の設置などが定められています。

2. 耐震性(地震時の損傷を抑え、継続利用できるか)

地震大国である日本において、特に重視される基準です。原則として「耐震等級2以上」または「品確法に定める免震建築物」であることが求められます。耐震等級2とは、建築基準法レベル(耐震等級1)の約1.25倍の地震力に対して、倒壊・崩壊しにくい性能を示す指標です。

3. 省エネルギー性(断熱性能や省エネ性能が確保されているか)

光熱費や日々の快適さに直結する評価項目です。2022年の基準改正により、以下の高い省エネ性能が必須となりました。

  • 断熱等性能等級「等級5」以上
    壁や窓の断熱性を高め、冬は暖かく夏は涼しい室内環境をつくる
  • 一次エネルギー消費量等級「等級6」
    冷暖房や給湯などで使うエネルギーを抑える設計

4. 維持管理・更新の容易性(配管設備などの点検・補修がしやすいか)

建物に比べて寿命が短い「配管設備」について、点検・清掃・補修・更新を容易に行うための措置です。 構造躯体に影響を与えずに配管を点検・補修できる設計や、コンクリートを壊さずに配管を交換できるスペース(掃除口や点検口)の確保などが求められます。

5. 居住環境(地域の景観や街並みに配慮しているか)

建物自体の性能だけでなく、周囲の環境に配慮していることも条件です。
地区計画や景観計画、条例によるまちなみ等の計画、建築協定などの区域内にある場合には、その地域のルール(まちなみのルール)と調和を図ることが求められます。

6. 住戸面積(規模の基準)

ゆとりある居住水準を確保するために、以下の面積要件を満たす必要があります。

  • 戸建て住宅
    延床面積(床面積の合計)75㎡以上、かつ1階の床面積40㎡以上が目安
  • 共同住宅等(マンションなど)
    各住戸の床面積が原則55㎡以上(自治体の要件によっては40㎡以上の特例が認められる場合あり)

※基準は自治体によって異なる場合があります。

7. 維持保全計画(将来を見据えた30年以上のメンテナンス計画があるか)

建築時から将来を見据えて、定期的な点検や補修に関する計画を策定します。
具体的には、「構造耐力上主要な部分」「雨水の浸入を防止する部分」「給水・排水設備」について、認定時から30年以上の定期点検・補修計画を立て、実行していく必要があります。

8. 災害配慮(自然災害のリスクがある地域への対策がなされているか)

自然災害による被害の防止・軽減のための基準です。
災害発生のリスクがある地域(土砂災害警戒区域など)に建てる場合は、そのリスクの高さに応じて、所管行政庁(自治体)が定めた特別な措置を講じる必要があります。

建物の性能が高い場合であっても、「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」や「災害危険区域」など、災害リスクが特に高い区域に建てる場合は、長期優良住宅の認定対象とならないことがあります。
長期優良住宅の認定を希望する場合は、土地選びの段階から事前に確認することが重要です。

※基準は自治体によって異なる場合があります。

Tips

長期優良住宅の認定基準に「災害配慮基準」が追加されたのは、2022年(令和4年)2月20日です。頻発する自然災害に対応するため、新たな認定基準として創設されました。

参考:国土交通省 「長期優良住宅のページ」
(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000006.html)

認定を受ける金銭的メリット5選

長期優良住宅に認定されると、税制・住宅ローン・補助金などで、主に次の5つの優遇を受けられる可能性があります。なお、優遇内容や適用条件は制度や自治体によって異なるため、最新の情報を確認し、ご自身の条件に当てはまるか確認することをおすすめします。

① 住宅ローン控除の借入限度額の拡大

住宅ローン控除とは、年末時点のローン残高に応じて所得税・住民税の負担が軽減される制度です。2026年に入居する場合、控除対象となる借入限度額は、最低限の省エネ基準を満たした「省エネ基準適合住宅」で最大2,000万円程度であるのに対し、長期優良住宅は最大4,500万円となっています。上限額が大きい分、控除の対象となる残高も増えやすく、結果として減税額が大きくなる可能性があります。

※省エネ基準を満たさない新築住宅は原則対象外。
※上限や適用条件(世帯属性・省エネ基準など)は年度ごとに異なります。

参考:国税庁「住宅借入金等特別控除」
(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-1.htm)

② 固定資産税の減額期間の延長

新築住宅は、建物(家屋)にかかる固定資産税が一定期間、原則として2分の1に減額されます。長期優良住宅として認定されると、この減額期間が延長されます。

  • 戸建て:3年間 → 5年間
  • マンション:5年間 → 7年間

適用には床面積などの要件があります。詳細はお住まいの自治体の現行制度をご確認ください。

参考:総務省「固定資産税制度」
(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_08.html)

③ 登録免許税・不動産取得税の軽減

長期優良住宅は、不動産の取得や登記時にかかる税金についても軽減措置があります。

  • 登録免許税
    マイホームを自分の名義にする際にかかる税金で、長期優良住宅の場合は、所有権の保存登記で0.15%→0.1%になるなど、税率の軽減措置が設けられています。
  • 不動産取得税
    土地や建物を手に入れた際にかかる税金で、税金が計算される元となる金額(課税標準)が、1,200万円から 1,300万円 に増額され、結果として税負担が軽くなります。

これらの特例には適用要件や期限があります。登録免許税は国土交通省、国税庁、不動産取得税は都道府県税事務所(自治体)の公式解説を必ずご確認ください。

参考:国土交通省「各税制の概要」
(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr2_000011.html)

④ 住宅ローン金利の優遇(フラット35など)

住宅ローン商品によっては、長期優良住宅が金利引き下げの対象となる場合があります。代表例として「フラット35S」では、一定の条件を満たす住宅に対して、当初一定期間の金利優遇が適用されることがあります。金利が下がることで、毎月の返済額や総返済額の負担を抑えられる可能性があります。

※適用条件や引き下げ幅は、金融機関や商品によって異なります。

⑤ 補助金制度の活用

一定の省エネ性能などの基準を満たす住宅は、 国の補助金を利用できる場合 があります。2026年度は「みらいエコ住宅2026事業」が実施されており、長期優良住宅は対象となる可能性があります。申請はハウスメーカー・工務店などが代行するケースが一般的です。補助額や条件、申請期間などは制度ごとに異なるため、公式情報の確認が必要です。

※補助金は年度ごとに制度内容・予算が異なり、早期終了する場合があります

参考:国土交通省「みらいエコ事業2026」公式サイト
(https://mirai-eco2026.mlit.go.jp)

長期優良住宅のデメリットと注意点

長期優良住宅には税制優遇や補助金などのメリットがある一方で、事前に確認しておきたい注意点もあります。メリット・デメリットを踏まえて総合的に検討することが大切です。
なお、以下で紹介する「建築コスト」や「工期への影響」は、注文住宅で一から建てる場合を前提としています。分譲住宅の場合はすでに認定された状態で販売されていることが多く、購入者が個別に費用を負担したり、工期を待ったりするケースはほとんどありません。

申請費用と建築コストが増えやすい(主に注文住宅の場合)

長期優良住宅の認定を受けるには、申請に関する費用(審査機関への手数料や書類作成費など)がかかります。また、基準を満たすために断熱性能や耐震性能を高める必要があり、その分、建築費用が認定を受けていない住宅より高くなる場合があります。

認定取得までの時間と工期への影響(主に注文住宅の場合)

認定の取得には一定の期間が必要とされており、書類の準備から認定までに数週間から数ヶ月程度かかる場合があります。そのため、建築スケジュールや入居時期に影響することも考えられます。事前にハウスメーカーや販売会社へ確認しておくと安心です。

入居後の定期点検と維持管理の義務

長期優良住宅として認定された住宅は、入居後も「維持保全計画」(住宅の点検や修繕に関する計画)に基づき、定期的な点検やメンテナンスを行うことが求められます。そのため、長期的な維持管理の手間や費用も含めて検討しておくことが大切です。

※注文住宅・分譲住宅のいずれの場合も、購入後の維持管理は所有者が行う点は共通しています。

維持管理の記録は書面で残しておくことが重要

将来、住宅を売却・相続するときに、長期優良住宅であることの証明として役立つ場合があります。

認定申請の手続きと取得の流れ

長期優良住宅の認定取得は、一般的に次のような流れで進みます。なお、実際の手続きはハウスメーカーや工務店が対応することが多く、購入者が直接手続きを行うケースは限られます。

① 登録住宅性能評価機関への申請

まず、登録住宅性能評価機関(住宅の性能を第三者として審査する機関)に、設計図面や性能に関する書類を提出し、審査を受けます。審査に適合すると、「確認書」や「住宅性能評価書」が交付されます。

② 所管行政庁への認定申請

次に、住宅の所在地を管轄する市区町村(所管行政庁)に対して、交付された書類を添えて認定申請を行います。

③ 認定通知書の受領と保管

審査が通過すると、所管行政庁から「認定通知書」が交付されます。この通知書は、税制優遇や補助金の申請時に必要となるほか、将来、住宅を売却・相続する際の重要な証明書となるため、大切に保管してください。

マンションでの認定基準と留意点

長期優良住宅の認定は、戸建て住宅だけでなくマンション(共同住宅)にも適用されます。ただし、戸建てとは異なる点もあります。

共用部分の維持管理計画

マンションでは、廊下・エントランス・屋根・配管など、居住者全員で使用する「共用部分」の維持管理計画も認定要件に含まれます。これらは、管理組合(マンションの所有者で構成される組織)が主体となり、長期修繕計画に基づいて点検・修繕を行うことが求められるとされています。

住戸単位と建物全体の認定

マンションの長期優良住宅認定は、建物全体(棟単位)で行われます。そのため、個別の住戸だけを単独で認定することはできません。分譲マンションを検討する際は、建物全体として認定されているかどうかを確認しておくことがポイントです。

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まとめ

長期優良住宅は、耐震性・省エネ性能・劣化対策・維持管理のしやすさなどの基準を満たし、長く安心して住み続けられるよう配慮された住宅として国に認定される制度です。
認定を受けることで、住宅ローン控除や固定資産税の軽減、補助金の活用など、家計面でのメリットが期待できる点も大きな魅力です。一方で、建築コストの増加や定期点検・維持管理の手間など、注意しておきたい点もあります。
そのため、初期費用や将来の維持管理、ライフプランを踏まえたうえで、ご自身に合った選択かどうかを総合的に検討することが大切です。
なお、税制優遇や補助金制度の内容は年度ごとに変更される場合があるため、最新情報の確認もあわせて行いましょう。

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