マイホームを検討されている方は、色々調べているうちに、住宅についてわからないことがでてきます。
物件探しどうやって進めればいいの、購入までの流れは、資金はどれぐらい必要なの、マイホームを選ぶ基準は・・・などなど。
ここでは、住宅探しのスタートからゴールまで、みなさんに役立つ情報をわかりやすく説明します。
家を購入する流れ・手順とは?
家を購入し、新生活をスタートさせるには、様々なステップを必要とします。大きくは①物件を選ぶ、②物件を買う、③様々な手続きをする、④引っ越しをするという手順ではありますが、家は大きな買い物なので、物件の選び方やお金のやり取りに関して、もう少し細かくて慎重な手順を踏む必要があります。そこで、今回は新築物件の場合を例としてその手順を確認してみましょう。
①住まいのイメージと優先順位付け
住まいの購入を検討し始めたら、まずは家族構成やライフスタイルをもとに、理想の暮らしのイメージづくりをしましょう。
その時に重要なことは、希望条件に優先順位をつけることです。
エリア、沿線、通勤通学の便、広さ・間取り、価格、日当り、周辺環境など、どんな暮らしをしたいのか思うままに書き出して、しっかりと整理しておきましょう。
②資金計画
イメージが出来上がったら、 資金計画について検討しましょう。
物件購入時には、 物件価格の他に諸経費(税金や登記費用、諸々の手数料など)がかかります。
「自己資金+住宅ローン借入額-諸費用」が購入可能な物件の価格となります。
住宅ローンの毎月の返済額は、金利のタイプ(固定金利と変動金利)や返済方式、返済期間で決まります。よく検討して無理のない返済プランを選択しましょう。
③物件選び
住まいのイメージが固まり、エリアや価格帯などの希望条件が把握できたら、希望に沿った物件を探しましょう。
④現地見学
気になる物件が見つかったら、早速不動産会社へ連絡し、現地見学に行きましょう。
見学する物件の内容はもちろん、周辺の環境や交通機関なども、自分の目でしっかりチェックしておくことが大切です。チラシ広告やインターネットだけではよくわからない点がたくさんあります。
複数の物件を見学すれば、こだわりたいポイントや、自分なりの相場観も見えてくるはず。
納得できる物件が、なかなか見つからない場合は、エリアなどの条件を広げて探してみましょう。
ここで、物件を見学する際のチェックポイントを幾つか挙げておきます。
【建物チェックポイント‐物件自体】
- 内・外装の材質や仕様は?
- 部屋数や使いやすさ・動線は?
- 日当たりや風通し、周辺の騒音や・嫌悪施設の有無は?
- 収納スペースは充分?
- 車庫の広さや庭周りの状況は?
【建物チェックポイント‐物件周り】
- 周辺道路の状況(交通量など)は?
- 最寄り駅からの時間は?
※実際に駅まで歩いてみることをお勧めします。 - 晴天・雨天、昼間・夜間、平日・休日の状況は?
買物施設や小中学校・医療施設等は、見学する前にある程度は把握できますが、実際に周辺を散策することで新たに発見することもあります。
また、建物が未完成の場合もありますが、その際は営業マンに納得のいくまで説明を受けたり、他同仕様の完成物件を見せてもらったりしましょう。
⑤ご契約
購入したい物件が決定したら、いよいよ契約です。
宅地建物取引士から重要事項の説明を受けた上で、不動産売買契約を交わします。
重要事項説明書と不動産売買契約書の内容は、重複する部分も多く、取引内容や当事者の権利や義務等が記載されていますので、 不明点などをしっかり理解した上で契約します。
売買契約後は、契約書に記載された内容に基づいて、お互いの権利や義務を履行することになります。トラブルを防ぐために口頭での約束は避け、大切な事項はすべて書面で内容を確認するようにしましょう。
⑥住宅ローン申請
売買契約が成立したら、住宅ローンの申し込みを正式に行います。
その後、金融機関による審査を経て、承認されれば金融機関と正式なローン契約(金銭消費貸借契約)を結ぶことになります。
⑦火災保険・地震保険の加入
ご購入の建物に関するさまざまな災害に備えるため、火災保険や地震保険の契約を行います。
※契約は住宅ローンを借りるときに締結する金銭消費貸借契約と同時に行うことが一般的です。
⑧内覧チェック
建物竣工後に、売主立会いの下、完成物件の最終確認を行います。
ここでは建物の状態・仕上がりが契約と異なる部分はないか、きちんと確認しておきましょう。問題があれば引渡しまでに改善しておいてもらいましょう。
⑨残金決済・引き渡し
買主様は、契約した物件の残金と諸費用等を売主へ支払います。
それと同時に、売主は契約した物件の登記名義を買主様に移転し、建物の鍵等をお渡しします。
⑩入居
いよいよ待望の新居への入居です。
引き渡し時にもう一度建物の状態を確認し、問題がなければ新生活のスタートです。
入居の翌年には、確定申告で住宅ローンの控除申請も忘れないようにしましょう。
家を購入するために必要な期間
予算や希望のエリア、そして住宅の間取りや大きさなどが具体的にイメージできている場合には、あれこれ見て迷ってしまうことが少ないです。
そのような場合、一般的に最も時間がかかる不動産選びが短縮できるため、購入スケジュール全体を短くすることができます。
しかし、それでも購入するためにはある程度の時間はかかります。
それを物件の種別ごとにご説明します。
建売住宅:~3カ月
建売住宅は建物が完成して販売しており、注文住宅のように外装や内装を一から選ぶ必要がありません。また、未入居のため購入後にすぐに住めます。購入手続きとしてローンの審査、所有権の移転登記、鍵の引き渡しや電気やガスなどの生活インフラ契約等の手続きがあるので、なかなか賃貸物件のように「即日入居」とはいきませんが、短ければ数週間、長くても3カ月あれば新生活をスタートできるのが大きなメリットです。
注文住宅:~1年
注文住宅は家のデザインから使用資材まで全て決めるフルオーダータイプか、ある程度のタイプか選ぶセミオーダータイプかによっても大きく違いますが、建売住宅に比較した場合には圧倒的に多くの時間がかかります。 最初の土地探しやハウスメーカー選びに3~4カ月かかるのが標準的であり、また家の間取りやデザイン、使用資材を決め、行政機関に希望する建物の申請をするのにやはり3カ月はかかります。建築期間も半年弱はみておく必要があるので、スムーズに手続きができたとしてもやはり1年程度かかるものと考えたほうがいいでしょう。 すまいーだには別記事で「注文住宅」の土地購入~建築までの流れを説明した記事がございます。ぜひ、こちらもご参照ください。
中古住宅:1カ月~2カ月
中古住宅は人が住んでいたものなので、建売住宅同様、早期に入居することができます。急遽住宅が必要になった場合や、エリア限定で物件を探している際には、選択肢として有効と考えられます。
中古物件は建売住宅と同じく、ローンの審査や登記移転の手続きなどの期間は必要になりますが、一番の注意点は、住まい方によって築年数以上に劣化が激しい場合もあり、トイレだけなど部分的なリフォームが必要になることもあるので、やはり最低でも1カ月ぐらいは余裕を見たほうがいいと考えます。
資金計画の立て方
不動産購入の手順は「理想の暮らしのイメージづくり」から始めると説明しましたが、これを現実にするには、実現性のある資金計画を立てる必要があります。
一般に住宅購入時には「頭金とローン」が、購入後には「維持・管理のための費用」が必要となります。それは例えば戸建住宅の場合には土地と建物の固定資産税や外壁や家の設備の修繕費であり、マンションの場合には管理組合に支払う維持管理費や修繕積立金がそれに該当します。そして、これら以外にも必要となってくる「諸費用」も思いもよらない金額になることもあります。
そこで資金計画を立てる際のポイントについて、項目別に説明します。
頭金について
不動産を購入するには頭金という形で自己資金を用意することが多く、その額は一般的に2~3割と言われているので、4,000万円の住宅なら800~1,200万円となります。そして家を購入するには頭金が必要と言われていますが、現在は購入者の信用力が高い場合には物件価格の全額融資を受けることのできる「フルローン」や、諸費用も含めた全額の融資を受ける「オーバーローン」という形で、頭金がなくても購入することができます。
ただ購入者によってはリスクとなることも考えられるため、頭金を用意することで、月々支払うローンの金額を抑えることができ、金利が上昇して返済額が増えても余裕がある資金計画を立てやすいというメリットもあるので慎重に検討することが望ましいです。
ローンについて
ローン=借金と考え、その借入金額の大きさや支払いができるのかという不安からネガティブに考える人もいるかもしれません。しかし、住宅ローンの金利は各金融機関が競って新商品を出し、まだまだ低金利の環境にあるので、むしろそれをうまく利用するほうが全額購入資金を貯まるまでの貴重な時間を買うことができるという側面があります。
またローンに関しては、「固定金利を選ぶべきか、変動金利を選ぶべきか」という点で悩まれる人もいます。
筆者の個人的見解としては、2024年8月現在金利のある世界に戻りつつあるものの、まだまだ低金利の時代と言えるので変動金利のほうが有利と考えますが、金利の上昇に伴う支払額の増加がなによりもリスクと考える人にとっては固定金利を選ぶのもいいでしょう。
諸費用について
諸費用としてもっとも大きいものは仲介手数料です。
その価格の3%+6万円+消費税がかかります。
また登記手数料や火災保険などが初期費用としてかかるのが通常です。
ローンに関わる諸費用については手数料や、抵当権登記の費用など、借入先により異なる事がありますので注意が必要です。
物件選びのポイント
住宅を購入する資金は限りがあり、その決まった金額内で上手に家を選ばなくてはなりません。一方、一口に家と言っても戸建てもあればマンションもあり、中古も新築あって、選択肢が多すぎて迷うという人もいるのではないでしょうか。
この章では、数ある選択肢の中でもこれだけは絶対に抑えたい3点について、説明したいと思います。
立地条件
建物そのものの品質も快適な暮らしには重要な要素ですが、家の周辺環境、すなわち立地条件も大事になってきます。
この立地条件には、駅や商店街やスーパーなどとの位置関係、学校・公園・病院などの生活に欠かせない施設へのアクセスなどをチェックします。
またこのような社会インフラに加えて、洪水や土砂災害などの懸念が高まる近年では、災害リスクを調べるためにハザードマップを見ることも忘れてはいけませんし、街の治安の良し悪しも各県の警察が発表している「犯罪マップ」などをチェックしておけば安心です。
建物の状態
新築物件についてはまれに「欠陥住宅」の問題が生じることもあります。工場で生産することで、ある程度のリスクは回避することは可能ですが、現場作業がゼロになる訳ではありません。図面通り施工出来ているかどうかは素人目には判断しづらいものになるので、プロによる第三者チェックが一番安心です。代表的なものでは、住宅の性能を通信簿のように評価する「住宅性能評価制度」が挙げられます。その中でも図面通りに施工し、予定通りの性能を有しているかどうか確認する「建設性能評価書」を取得している建物であれば、少なからず安心感を得ることができるでしょう。
一方、中古住宅に関しては、戸建、マンションいずれも劣化が進んでいるのが一般的ですが、その度合いは建築された後にどのくらい維持管理を適切に行われてきたのかによって大きく異なります。可能であれば過去の修繕履歴を調べ、近い時点で発生が予想される修理や修繕内容を適切に把握することが大事でしょう。
家族のライフスタイル
近年は未就園児、未就学児のいるご家族の住宅購入が増えています。家族の個性にあった住宅を購入出来るのが一番ですが、幼少期の子供が将来どのようなことに興味を持つのか判断して家を購入するのは非常に難しいと思います。スポーツ、音楽、読書など様々な興味の【可能性に備える】という意味では、「部屋数」や「収納力」に余力を持つことは、長い子育て期間を見据えた物件選びのポイントと言えると思います。
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まとめ
今回は家を購入する大きな流れや手順を説明し、またその各段階や項目についての注意点やポイントについて解説しました。 家を購入する手順については今回の10のステップを確実に得ることで安心して手続きを進めることができます。また資金計画に関しては頭金やローンの考え方の整理ができ、物件選びに関しては特に大事な立地条件が明確になっていると思われます。 しかし何よりも大切なのは、最初でご紹介したように家を購入するにはイメージづくりと希望を明確にしてそれを書き出しておくことです。自分や家族にとって大事なものや優先順位が明確になっていることが、順調に手続きを進め、いくつかの選択肢から選ぶうえでの大事な指針となるからです。逆にそれさえ明確になっていれば、楽しく家選びができるでしょう。 もちろん今回ご紹介した内容では網羅できない内容もあるので、ご家族のこと、気になる物件のことなど、気軽に相談して頂ければと思います。
<執筆者プロフィール>
田井能久
代表取締役/不動産鑑定士
国内最大手の不動産鑑定事務所に勤務後、米国系不動産投資ファンドに転職。2006年に独立して株式会社タイ・バリュエーション・サービシーズを設立。
25年以上の評価実績を有し、特に相続や訴訟に関連する案件を得意とする。
元愛知大学非常勤講師で現在はセミナー活動のほか各種WEBメディアに記事提供も行う。